高圧受電設備見学会

 配電システム工学受講者と第一種電気工事士試験受験希望者を対象に本校の高圧受電設備の見学会を行なっています。本校では2年生で第二種電気工事士と第一種電気工事士の両方の資格を取得する生徒がいます。普通の工業高校にはこういう設備がありませんので県内でも珍しい見学会です。
この設備は、三相高圧交流6,600Vを受電し、通常使う単相100Vや200V、三相交流などを作り出すとともに、本校内が原因の不具合を周辺の施設や家庭に及ぼさないようにする役目を持っています。
 ここで変電された電気は神奈川工業高校と神奈川総合高校で使用されています。工業高校の実験設備を動かすために通常は使わないような電気も作られています。
 この設備の維持には第一種電気工事士や第三種電気主任技術者が必要で、本校内に常駐しています。
普段は立ち入れない階段に侵入していきます。
防災センターの職員の方が案内してくれます。
暗い通路を進みます。
普段人が立ち入る所ではないので、明かりが少ないです。
出入り口からの風景です。
このようにずらりと開放型高圧受電設備のパネルが並んでいます。
通常の学校の場合は、パネルが1つ程度あるのが普通です。本校の場合は3列ズラリと並んでいます。30メートルの部屋に1.5往復なので約90メートルの設備が並んでいます。
説明を受けているところです。電線から15センチ以内には絶対に近づかないことと注意を受けます。
外から来た電線は、道路の下をくぐって、地下に入ったままこのパイプを通って設備に入ります。
裏側の設備に回ります。
高圧受電盤です。
高圧新構想饋電盤です。新構想とは、新構想高等学校を意味し、神奈川総合高校のことです。この設備の手配が行われた時期はまだ学校名が決まっていなかったものと思います。建築図面にも新構想高校と書かれています。
このフレームの全景です。
高圧新構想饋電盤の下は、高圧神奈工饋電盤になっています。
高圧神奈工饋電盤です。
使った電力を測る積算電力量計と、250Aまで測れる交流計です。下にあるツマミの右側は相の切り替えスイッチです。Rにセットすると三相のR、S、Tの各相のうちR相の電流が上のメーターに出るようになっています。通常はどの相も同じに同じ程度になるように配線してあります。 真ん中のツマミは交流遮断機です。左は自動と手動の切り替えです。その下の黒い計器は静止型過電流継電器です。電気が流れすぎた場合にカットするためのものです。
一部アクリルで保護されていて中が見えるところもあります。三相なので電線が3系統あります。また、高圧碍子がみえます。
これは、計器用変圧変流器です。流れている電流を測定するための電圧を作る器具です。6600V、200Aの電流をこのままでは測れないので測定に一般的な110V、5Aに変換します。電流計はこの条件で最大になるように動作します。
変圧変流器です。200Aと言うと、電車加速時の約半分です。
変圧変流器外観です。
変圧変流器からのアース(接地)配線です。小動物などの侵入による事故を避けるため、パテで穴が塞がれています。
フレームの裏面はこんな感じになっています。
計器用変圧変流器銘板です。
左右にケーブルヘッドが見えます。
端子が6本見えるので直列リアクトルだと思います。高調波の抑制と突入電流の抑制が目的です。
ヒューズ付負荷開閉器です。白い太い筒が限流ヒューズです。
ヒューズが切れた時に電流が他の端子に行かないように碍子板がついています。
 単相用の変圧器なので中性線欠損防止の為、中性線にはヒューズが入っていません。(中性線のみが電流オーバーになり切れた場合、両端の線によって倍の電圧がかかる事故を防止するためです。)
電気室を出て、自家発電装置を見に行きます。
自家発電装置の中です。エンジンと、制御盤とエンジン始動用バッテリーの列が見えます。
自家発電装置の排煙配管です。マフラーみたいな太いのがついています。
自家発電装置の中のディーゼルエンジンです。定期試験の時には話し声は全く届かなくなるくらいのすごい騒音になるそうです。
自家発電装置で使う燃料をためておく燃料槽です。990リットルで30分程度しか持たないそうです。700リットル程度しか入ってませんね。
電気室の火災の場合に使う二酸化炭素のボンベです。
二酸化炭素の制御盤です。
ツアー終了です。 設計図面によると、普通の住宅ではE16管などを使いますが、幹線系ではE82管が使われていたりするようです。

電気室への電気はどこから

道を渡っている電線ですが、どうやら電話線かなにかのようです。
らしい電柱を見つけましたが、本校ではなくて道を挟んでお隣の二谷小学校へ向かう電線のようです。
二谷小学校の電気室です。
南門の脇にあるのですが、どうやら電気設備ではないようです。消防関係でしょうか。
ぱっと見には何の変哲もない電柱です。この付近、どこの住宅街にもありそうな普通の電線と電柱しかありません。特別に太い線で来ているわけではないようです。
見上げてみると、何やら機器が載っています。これが本校と神奈川総合高校の電気の入り口の電柱です。
二谷小学校の北側です。この電柱から電線がきています。
電柱上のGR付PAS (Pole mounted Air Switch)、地絡継電装置付高圧柱上気中負荷開閉器(GR付高圧交流負荷開閉器)です。三相なので線が3本入って3本出ているのが分かります。区分開閉器とも言って、この装置から電柱の電線とこの装置から出ている線の接続点が事故時の責任分界点にもなっています。受電点とも言います。 この装置が、本校で不具合があった時に周辺1500世帯を巻き込まないための装置になります。
電線は電柱から降りて、パイプの中を通り地中へ潜っています。ここから、道路を渡り、本校敷地内へ入り神奈川総合高校地下の電気室へ向かっています。